2016年1月某日、台湾の高雄にきた。前回の訪問から3ヶ月ちょっと。私が渋谷にいくペースとだいたい同じだ(知るかって話ですが)。
前回の高雄レポ↓
空港に着いた私たちは送迎バスに乗り、ティッシュの数が尋常じゃない車を見下ろしながら、高雄の中心街へ向かった。
前回はとにかくうまいものいっぱい食べてカラスミにまみれて廃工場でも遊んで満足した旅だった。
今回もそんなゆるゆるの旅の予定だけど、加えてひとつチャレンジしてみたいことがあった。
檳榔(びんろう)。
台湾の合法ハーブ!
知らない人のための説明をウィキペディアさんお願いします↓
檳榔子を噛むことはアジアの広い地域で行われている。檳榔子を細く切ったもの、あるいはすり潰したものを、キンマ(コショウ科の植物)の葉にくるみ、少量の石灰と一緒に噛む。しばらく噛んでいると、アルカロイドを含む種子の成分と石灰、唾液の混ざった鮮やかな赤や黄色い汁が口中に溜まる。この赤い唾液は飲み込むと胃を痛める原因になるので吐き出すのが一般的である。ビンロウの習慣がある地域では、道路上に赤い吐き出した跡がみられる。しばらくすると軽い興奮・酩酊感が得られるが、煙草と同じように慣れてしまうと感覚は鈍る。そして最後にガムのように噛み残った繊維質は吐き出す。
道路に吐いた跡が美観を損ねる&落ちにくいということで、紙コップを持ち歩くのがマナーとなっています。
一日目の夜、とりあえず夜市へ繰り出す。猫のパンツと犬のパンツどっちにしようか迷いながら徘徊していると、檳榔の店が現れた。
ふつうのよくある檳榔屋です。
葉に巻かれているタイプと巻かれていないタイプがある。ひとつくださいというと、巻かれていないものをくれた。
生の木の実がむきだしで入っている箱、ゲット。150円くらい。吐き出す用のコップもついてきます。
葉巻きタイプは苦味と渋味が強いので、こちらをくれたのは初心者向けということだと思う。
お店の人が、噛み方をレクチャーしてくれた。
それによると、口に入れて噛んで、1回目の唾液は捨てる。
それからは適当に吐き出しつつ、絶対に飲んじゃだめというわけではない(でも吐きましょう)。実の方は好きなだけ噛んでいてよい。
いざ、咀嚼!
おお、草の香りだ。野菜とかハーブとか食べ物と認識できる青臭さではなく、原っぱに生えてそうな草の味。
おお、苦い、というか渋い!
頭の中で「食べてはいけないものでは?」という警鐘がすこしだけ鳴る。
ちょっと慣れない味に耐えて、こなれるまで噛んでいると、だんだん実が繊維状になってきてガムっぽくなる。
ここで一度目の唾液を吐く。
あ、なんか平気になってきたかも。
おお! 顔に血が昇って、顔だけ熱い感じがする。ちょっとぐわんぐわんしてきた。
面白い! さっきまで変な味のものを食べてたと思ったのに、さわやかな草の香りに包まれて気分爽快。気持ち悪くない、軽い目眩みたいな感じ。
酒に酔うまではいかず、人によっては感じないかも程度の高揚感。ちょっとした眠気覚ましになるというのもわかる。タクシーやバスの運ちゃんも噛んでいたな。
檳榔おもしろい!
しかし、この覚醒効果はものの3分で消える。ほんとあっという間に……
そこが儚いけど、良さでもあるんじゃないでしょうか。
葉っぱに包まれたタイプも買った。柿の葉すしではない。
キンマ葉の内側に石灰が塗られている。石灰を加えることによって効き目がより強くなるらしい。
葉があるぶん青臭さが際立つのでこんな顔になるけど
レッツ檳榔パーリーナイトなのであります。
檳榔屋はいろんなデザインがあって飽きない。
夜になるとネオンがチカチカする店。盛り場っぽい、なんとなく漂うダメ感。
おいしくはないと思う。
ということで、長年気になっていた珍味(?)を試せてよかった。
麻薬の部類ではないので日本への持ち込みはできるけど、種子の持ち込みになるのでそっちのほうで手続きをふまなければならない。
日本では新大久保で2000円くらいで売られていると聞いたことがある。でも情報が少なく、探すのは苦労しそう。JR田端駅前で、上の檳榔の袋が落ちているのを見たことがある。別の日には赤い吐き跡も見た。
山手線の北側エリアは多国籍で中国系の人もたくさんいるから、やってる人がいてもおかしくないか。一粒ください。
次回は間違いなくおいしいほうの珍味のことでも書きます。
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